2017年の四国八十八ケ所区切り打ち1回目「その3」です。足痛を抱えながら今行程で最大の難所「遍路ころがし」に挑みます。
↓「その2」はこちら
いざ、遍路ころがし
ホテルを朝6時に出発。
再び、藤井寺を目指します。
足の痛みは多少、良くなった感じがします。
30分ほどで藤井寺。
寺の裏手から山道に入って、ここから約13km、ひたすら登ります。
わずか5分で、完全に山。
トレッキングシューズで正解だったような気もしてきます。
藤井寺から歩くこと、1時間半ほど。
振り返ると……だいぶ登ってきました。
遠くに見える山の方から、川を渡って、ここまで来たかと思うと感慨深いです。
さらに1時間弱登って、柳水庵で休憩。
お接待で冷たいお茶と、さつま芋をいただきました。
さつま芋の甘さがなんとも嬉しい。
一本杉庵。
上で待ち構えているのは、お大師様です。
一度、舗装路に出た後、再び山道に戻り、さらに登って……
第12番札所・焼山寺に到着。
ガイド本では、藤井寺から8時間とも書いていましたが、4時間ちょっとで到着しました。
登山経験者の面目躍如といったとこでしょうか。
静謐な境内。
売店があったので、うどんをお腹に入れて、昼食用におにぎりも購入しました。
これだけ歩くと、お腹が空いてしょうがないのです。
痛恨のミス
たっぷり休んで、出発。
一転して、ここからは下り続けます。
3日目は大日寺近くの宿に泊まる予定なので、大日寺までの距離=今日の残り距離です。
まだ22.7km……自分が立てたスケジュールとはいえ、気の遠くなるような距離です。
ただ、もう最難関を攻略したし、あとは下るだけ。
そのときは、そう思っていました……
2kmほど山道を下り、舗装路に戻ってきました。
しかし、しばらくして気がつきました。
おかしい……
さっきまではそれなりにいたお遍路さんが、前にも後ろにもいなくなった。
周囲はだんだんうっそうとしてきた。
そしてなにより、また登っている。
でも、遍路道を示す道しるべが時折出てきます。
だから、「間違ってない」そう自分に言い聞かせて歩いていると、再び山道に突入してしまいました。
待ち構えていたのは、焼山寺への登りを超える急登。
膝に手を当てながら、ゆっくりゆっくり登っていきます。
たどり着いたのは、ここ。
玉が峠!?どこだ!?
すかさずスマホを取り出す、現代っ子の私。
そこで知ったのは、お遍路には一つのルートがあるわけではなく、複数のルートが存在するということ。
そして、途中の分岐で、図らずも峠越えの道を選択してしまったということでした。
本来であれば、川沿いにゆるやかな舗装路を行くはずが、わざわざ登り返してしまったのでした。
とりあえず、大休止をとって気持ちを入れ直し、舗装路を下っていきます。
だいぶ登ったもんです……。
いくつかの集落を過ぎ、ようやく鮎喰川へ合流。
再び峠を越えると、沈下橋が前に。
ここで休憩し、焼山寺で買ったおにぎりを食べました。
焼山寺を出発して既に3時間以上が経過。
時間はまもなく15時です。
しかしながら、宿までの道のりは残りまだ10km超。
道中のそこかしこで知らされる大日寺までの距離に、絶望的な気分になります。
その後は鮎喰川沿いに歩いていくのですが、写真を撮る気力はありませんでした。
足の痛みと闘いながら、「なんでこんなことをしてるのか」なんて考えていました。
それでも、歩かないことにはどうしょうもありません。
途中、目印を見失って、道に迷いながらも、歩いて歩いて、なんとか徳島市内に入りました。
しかし、大日寺まであと5kmほどというところで、パラパラと雨が……。
車なら一瞬で着くのに……。
大日寺の前を通り過ぎ、宿に入ったのは18時前でした。
6時に出発したので、半日歩き続けていたことになります。
正直、この日が過去2回のお遍路で、一番辛かったです。
というか、登山含めても人生で上位の辛さでした。
原因としては、、、
重いトレッキングシューズで舗装路を歩いたことで蓄積した疲労に、想定外の峠越えが追い打ちをかけたことだと思われます。
この日は、もう足が痛くて痛くて、宿での記憶はあまりありません……。
足を引きずりながら、最終日
さぁ、いよいよ最終日。
昨日の雨はどこへやら、しっかり晴れました。
第13番札所・大日寺からスタートします。
遅めの8時スタート。
宿泊したのは「名西旅館 花」さんです。
最終日は靴ひもを緩め、足を引きずる状態。
写真もほとんどありません(笑)
またもや道に迷ったりしながら、40分ほどで到着した第14番札所・常楽寺の写真はこれだけ。
すぐに第15番札所・国分寺。ここは工事中でした。
国道と住宅街を通って、40分ほどかけて第16番札所・観音寺。
すっかり住宅街の中のお寺です。
こうして、今回の目的であった第16番札所までを打ち終わりました!
しかし、足痛に加えて、日焼けも加わって、満身創痍……。
まるでゾンビのようになりながら、最寄りの府中駅(「こうえき」と読みます!)まで歩き、JR徳島線に乗りました。
次回は、この府中駅がスタート地点となるのです。
昼前に徳島駅に到着した私は、ザックをコインロッカーに預け、のっそり市内に繰り出します。
電車内での検索で、「徳島ラーメン」なる名物を発見したので、ここぞとばかりに梯子しました。
「いのたに」さん
「両国」さん
どちらもとても美味しかったです!
徳島ラーメン、クセになるかも。
確かな課題を残しつつ、第1回目の巡礼は終了しました。
振り返れば、辛い経験もありましたが……
お遍路の魅力を垣間見る旅となったことは間違いありません。
なぜなら翌年、再び私は徳島へ降り立つこととなるのです。
後日談ですが、疲れ果てて帰京した私は歩くのも辛い状態。
しかも、翌日になると足の親指が内出血でみるみる黒くなり……
数か月間は治りませんでした。
四国八十八ケ所歩き巡礼第1レグのダイジェストは以上で終了です。
2018年の第2レグについては、また次回!